詩と思想4月号

買ってきました。まだ全部読んでませんが。加藤思何理さんという人の詩がすごいすごいすごい。形容や隠喩がどれもぴったりくる気がする。文法の距離感とシンクロしている。「読みやすい文章の書き方」みたいな本に載っている、主語と述語をあまり離さないようにしましょう、という原則をずーっと演繹してくるとこうなるのかもしれない。多彩な語彙や鮮やかなイメージを使っても、「わたし」と「あなた」がちゃんと詩の中にいる。あー、いつかはこういうふうに書いてみたい。
辻元よしふみさんの文章も気になった。「夜露死苦現代詩」は新潮の連載を何度か読んだことがあった。点取り占いとか枝に吊るしたエロ川柳とか。この本、現代詩の世界の人は読んでいないのだろうか。僕なんかは格闘ゲームの必殺技の名前なんかもかなり先鋭的というか、ごちゃまぜの面白いことになっている気がする。
「現代詩の世界というはひとつの無形文化財を守る閉鎖系となって久しい」とあるけれど、ということは、もしいまの現代詩の世界にその一篇だけで詩集が十万部も売れるようなとんでもない作品がポンと出てきても、閉鎖系の中に閉じ込められてしまうということになるのだろうか。だとしたらあまり関わりたくない世界ですね。
さて、いい詩を読んだあとだと自分の詩は殊更につたなく見えて憂鬱ですが、書いておきましょうかね。